Manfrotto ™
A Vitec Group brand

[MSoX Learn&Share]撮影時の天候状態と対応について(Timo Frey氏)

2011/10/04 — 

多くのフォトグラファーは、澄んだ青空の、晴れの日にしか写真を撮りません。そのような人たちは雨や雪が降る悪天候の中で撮影に出たことがなく、良い写真と良い天候はセットだと考えているようです。
しかし撮影後、家に帰って撮影結果を見ると、落胆が待っています。画像はフラットになりがちで、例えば強い影と明るいハイライトが写真に写っているでしょう。写真の雰囲気は、写真コミュニティや雑誌で見るような写真とはかけ離れています。機材のせいにしたいところですが、何がいけなかったのでしょう?

今回の記事ではいろいろな天候と向き合い、それが私たちの写真をいかに良くし、独特で印象的な写真を創れるようになるか考えてみたいと思います。

まず、覚えておくべきコツを、いくつか挙げてみます:

- カメラ機材を守りましょう。私は常に最悪の天候に備えて、暗い色の傘を持っていきます。レインカバーは、カメラの種類に合った製品がたくさん売られていますが、簡単なビニール袋で代用することもできます。小さなタオルを持参すれば水滴を取り除くのに便利です。

- 悪天候の下では、光量が足りないかも知れません。これはシャッター速度が遅くなることを意味します。そのため、私がしっかりした三脚を使うことをお勧めしています。リモートレリーズ(有線またはワイヤレス)も役に立ちます。三脚を使わず手持ち撮影をしたい場合、手ブレを防ぐためシャッター速度は[1 / 使用レンズの焦点距離]秒以上、例えば100mmのレンズなら1/100秒以上の高速で撮影するようにします。使用するカメラのセンサーが、フルサイズではなくAPS-Cサイズなどの場合は、画角が狭く画像が拡大されることも考慮してください:例えばCanon EOS 7Dに100mmレンズをつけると160mm相当になりますので、シャッター速度は最低でも1/160秒にすべきです。

雨が降る前

雲は、写真の構成の中で大事な役割を果たします。ちっぽけな雲でも、空っぽの空を埋め、写真全体のディテールや質感を高めてくれることがあります。

weather_01

上の写真はドイツのFrauenalb修道院で、同じ週末の土曜と日曜に、どちらもほぼ同じ時間帯に撮ったものです。土曜日は澄んだ青空で強い日差しがありました。雲ひとつなく、シーン全体が退屈で面白みを感じませんでした。翌日、天気はすっかり変わっていました。風が出てきて大きな雲が空を動いていました。これは長時間露光には最適な状況でした。私は修道院に行って撮り直すことにしました。流れる雲は写真に動きを与え、写真全体の構図を改善しました。ご覧の通り、同じ撮影場所でも、天気が変わると晴天時とはまったく違う写真になります。馴染みの場所でも、天気の違う日に何度か行かれることをお勧めします。

雲によって写真が変わる例をいくつかお見せしましょう:

weather_02

上のメルセデスベンツ博物館の写真は、雨が降る直前に撮りました。 雲がシーン全体に劇的なインパクトを与えています。

weather_03

ありがちなカモの写真も、早朝の霧と霞んだ雲がムードのある雰囲気写真に変わっています。


雨が降っている最中

weather_04

雨が降っていると、光が柔らかく、コントラストが非常に低くなります。写真の中のすべての色の彩度が上がります。特に秋は、雨の中で自然を撮るのに素晴らしい季節です。濡れた木の葉は極めてカラフルです。偏光フィルターを使って彩度を高めることもできますが、過度に鮮やかな木の葉は、写真を非現実的にしてしまいがちなので注意してください。
雨の日のもう一つのメリットは、普段は混雑する観光地でも人が少ないということです。 雨の日は、その場所にいるのが私一人だけになる幸運に恵まれることが多いです。この写真は有名なペトラの宝物殿(ヨルダン)ですが、なんと無人でした!天気がいいと、このようなすばらしい光景を観光客に首を突っ込まれることなく撮ることは、ほとんど不可能です。この写真を撮った日は土砂降りで、水浸しにならなかったものは私のカメラぐらいでしたが、素晴らしい写真が撮れました。

weather_05


雨が降った後

weather_06

上の写真は、シリアのボスラにある、ローマ時代の円形競技場です。私が訪れたとき、大雨がこの旧跡の床面に一時的な池を作りました。この円形競技場の写真は、私の知る限りほとんどが高い位置から撮られています。しかし雨水が作り出す柱の反射が、低い位置からの写真を撮るチャンスを与えてくれました。

それではまた、雨の中で会いましょう・・・

Timo Frey 著

Manfrotto School of Xcellenceの記事はこちら